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電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

元ラノベ作家だけどシナリオライターの学校に通うことにした#2 『企画書講座①』

前回:元ラノベ作家だけどシナリオライターの学校に通うことにした#1 『なぜ通うことにしたかという前説』 - Funny-Creative BLOG

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前回「シナリオライターのスクールに通うことにしました!」と前説をさせていただきましたが、本日からいよいよ通い始めました。
今回受けたのは『企画書講座』というものです。

www.scenario.co.jp

ちなみに講師である柏田道夫先生は映画『武士の家計簿』の脚本を手がけた実績のある人気の高い先生で、既にシナリオセンターに通っていた友人からも「凄くいい先生だよ」と噂を聞いてました。
しかも実は僕自身、「ちょっと書き方の勉強をしとこう」と思って吉祥寺の本屋で手にとって買ってみた『シナリオの書き方』という本が、偶然にも柏田道夫先生の著書でちょっとビックリでした。

良い本だったので、興味のある方はぜひチェックしてみていただければ。

シナリオの書き方―映画・TV・コミックからゲームまでの創作実践講座

シナリオの書き方―映画・TV・コミックからゲームまでの創作実践講座


そもそもなぜ企画書の書き方講座を受けようと思ったかというと、実は実際の映像作品の現場だと、「まず脚本家からプロットや企画書をコンペ形式で集める」というところから始まるそうです。
いきなりシナリオを送りつけて審査されるのは新人賞みたいな公募の賞だけで、実際に審査されるのは企画書なんですね。
確かに送られてくるシナリオを100本も200本も読むわけにはいかないので、ある意味書類選考みたいなもので、企画書は要するに就活における履歴書の書き方みたいになってきます。

今回講義では送られた企画書がどのようなプロセスで採用されて映像化されるか、またどんな意図で企画書が選ばれるかという話を、業界の実態をベースにお話していただきました。
技術論そのものというよりシナリオを取り巻く環境の話が主なものでしたが、実際に仕事されてるプロの方から業界の内部の話が聞けるのはそれだけで価値がありまくりです。

それと講義のなかでチラッと「最近は原作付きのドラマが多くてオリジナルが減ってきているのが残念」という話をされていたのが印象的でした。
僕が作家として口癖のように言っている「オリジナルに挑戦する人間がどんどん減っている」というのは、業界問わず日本のエンタメ全般に蔓延してる症状なのかもしれません。

閑話休題

とりあえず講義の流れとしては、現在募集が行われている『朝日新人シナリオ大賞』という公募の賞に送ることを前提に企画書を書いてみるというものでした。

僕もせっかくやるからには、実際に書いて応募するところまでやってみようという気合いでプロットを考えてたんですが、今回のお題が結構難しいですね。
「サスペンス」と「25才」ってあまりにふわっとしすぎて、何をどうすれば芯を捉えることができるのか、今日一日ずっとそればかり考えてました。
講義の中でも話していただいたんですが、サスペンスっていざ定義しようとしてみると難しいですが、とりあえず「これをやったらホラー」「これをやったらスリラー」という消去法で外郭を削りながら一つアイデアを考えました。

そして今回、宿題として出されたのは「企画意図」という部分を考えてくるというもので、要するに「どんな層に何を伝えたいか」を明文化して具体的にするというものです。一言で言ってしまえばテーマみたいなものですね。

実際、僕はプロットを既に考えた状態で講義を受けてたんですが、「企画意図」を改めて考えてみるとさっぱり浮かばなくて、逆に「どんな人物像やストーリーにすれば企画意図が埋まるだろう」と考えてみました。
そうすると、ただのアイデアや筋書きでしかなかったプロットに、「視聴者に共感させるためにどんな主人公の造形にするか」とか「どんな職業にしたらテーマ性が生まれるか」というディテールの作り込みが勝手に生まれていったんですね。

僕の場合特に、ラノベやアニメばかり見てきた人間なので、「現実世界に暮らす普通の人間」にどうキャラとして味付けをするか、実は結構考えるのに苦戦していたりしました。
それに対して、テーマや大義名分を与えることで逆説的にキャラクターが固まっていくというのは面白い体験でしたし、こういう発見があったのも講義に出てみて良かったと思った点です。


講義が終わったあと、シナリオセンターの窓口で『月刊ドラマ』という冊子を買って帰ってきました。

今回賞へ送るにあたって前回の受賞作がどんな内容か目を通しておきたかったんですが、この冊子に載ってるということで早速買ってみたわけです。
僕もラノベの新人賞で賞を取るために、各レーベルの受賞作を30冊ぐらい買って目を通してみたことがあったんですが、傾向やノリみたいなものを掴むのに実際の受賞作を読んでみるって経験上かなり大事なことなんですね。

今週はこの本で受賞作に目を通してみながら、応募用シナリオのプロットを煮詰めながら来週の講義に望みたいと思います。

とまあこんな感じで、各講義の内容を、今後もネタバレしすぎない程度に書いていってみたいと思います。

朝からフルタイムで仕事して講義受けてブログ書いて、おまけに小説も進めなきゃいけなくってと、結構慌ただしいですが、やっぱり好きなことに対する努力だと不思議と疲れないですね。

それではまた次回。