Funny-Creative BLOG

電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

アンチにAmazonレビューを荒らされた結果、「レビューシステムがいかにイタズラし放題か」が判明した件について

簡単にあらましを説明すると、「SNSで宣伝のためと思っていろいろと発言をしまくっていた結果失言をしてしまい、アンチに目をつけられてAmazonのレビューを荒らされる」という状況に陥ってます。

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該当の商品ページはこちら
アーマードール・アライブ Ⅰ 〜死せる英雄と虚飾の悪魔〜

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ちなみにこちらが半年前に取ったキャプチャーですが、たった2件しかレビュー投稿のない状態でした。

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それが作品の商品ページが、作者の失言をきっかけとして荒らされた結果が次の状態です。

もちろん自分もSNS上でかなりの暴言や失言があったことについては認めますし、反省もしています。
また前回みたいに二次創作をボコボコに叩く記事を書いて炎上したこともあったりして、いろんな厄介な人たちに目を付けられやすいのも十分承知しています。

funny-creative.hatenablog.com


ただ、「荒らされたくなければSNSでの宣伝や発言を控えろ」という指摘に関しては、絶対に認めることができません。
作品を多くの人に見てもらうためにSNSでの宣伝や発言をして目立つことは現代の作家にとって必須の活動ですし、いくら気に入らないと感じる人間がいるからと言って、彼らのために自分の創作や活動を自粛させられるいわれはありません。
それに、いくら「SNS上での作者の発言が気に入らない」からといって、それを理由に作者の作品に嫌がらせして、不買を行ったり創作の邪魔をしていいとも思えません。
「気に入らない発言をする作者の商売はいくら邪魔してもいい」だなんて考えが広まるのは、僕は同人作家として絶対に許せません。

Amazonのレビューや評価、星の数といった指標はどうしても購入の判断材料にされやすいですし、星一つの状態のまま放置してしまうと、それだけで「この作品は読む価値がない」と判断されてしまう可能性も高いです。

嫌がらせが始まってからすぐ、自分もフォロワーや作品の読者に「ぜひ作品を読んで肯定的なレビューをつけてほしい」とお願いするようにして、たくさんのご協力をいただきました。
星5のレビューが増えた結果、平均評価は星2.5の状態まで戻すことができています。
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また、全てに対応していただけているわけではないですが、あからさまな嫌がらせに関してはいくつか削除対応していただくことができています。
例えば、下記のような嫌がらせレビュー。
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こちらはカスタマーセンターに「黒塗りの高級車なんて出てきません」と伝えたら、削除対応をしていただくことができました。

まあこんなバカバカしいレビュー問い合わせをわざわざしないといけない状況に立たされてる時点でこちらがかなり不利ですし、時間を浪費させられていることも事実です。

もちろん、全てが事実無根の嫌がらせとは限りませんし、中には本当に「SNSで知って興味を持って読んでみたがつまらなかった」と感じたレビュワーもいるのでしょう。
ただ、もし本当に購入して「つまらなかった」と思っている読者が書き込んだのであれば、Amazonのシステム上、下記のようにAmazonで購入という文字が表示されているはずです。
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実際、高評価をつけてくれているユーザーの5人中3人が購入済みの表示が出ている一方、星1をつけているレビュワーの中に購入済みの表示が出ているレビューは一つもありませんでした。

しかも自分の場合、「好みに合わない可能性もあるから、興味がある人は無料お試し版を読んで好みに合うか確かめてほしい」と考え、無料版の配信もしています。

実際、中には「ほかのサイトで無料で1巻と2巻を読んでつまらなかったからわざわざ星1だけつけに来ました」みたいな、性格の悪いことを書き込むレビュワーもいます。
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無料で読んどいてわざわざAmazonに酷評書き込みに来る奴の性格クソ悪いなと正直なところ思っていますが、最低限、「ちゃんと読んだうえで評価している」分、他の嫌がらせに比べればまだ好感が持てます。
現状、星1のレビューを書き込んでいるユーザーの中に実際に購入して読んでいる人はこの書き込みをした1人以外、誰もいないのではないかと思っています。

こうして事情を説明すれば、「低評価なのは嫌がらせを受けているのが原因だ」とご理解いただけると思うのですが、初めて商品ページを見たカスタマーには、やはり「低評価が多くて問題のある作品っぽいな」という印象を持たれてしまう可能性がぬぐえません。
もちろん、「買って読んでつまらなかった」と言われる分には構いませんし、自分の実力不足だと認められます。
しかし、「SNSでこいつの発言が気に入らなかった」とひとたび思われれば、作品を一行も読んでもいないネット上の有象無象にあっという間にレビューを荒らされてしまうという状況は、作家の自由な発言や心情の表明を萎縮させてしまうだけに思えます。

しかも、こうした「嫌がらせレビューを受ける→問い合わせて削除させる→ガイドラインの穴をすり抜けた嫌がらせが残る」という一連の作業を繰り返していくうちに、「どうすればガイドラインをすり抜けられるか」がかなり鮮明になってきました。
嫌がらせする側も「こうすればガイドライン違反で削除されることなく、嫌がらせの低評価を残すことができる」と学び始め、工夫を凝らすようになってきてしまった気配があります。
自分も嫌がらせに対して問い合わせを繰り返すうち、むしろこうした「簡単に嫌がらせが成立してしまうAmazonのレビューシステム自体にかなり問題があるのでは?」と思うようになりました。
実際、国内メーカーの優良商品のレビューを意図的に荒らして自社の商品を優位に見せるレビュー工作が存在していることは、東洋経済のニュースもなっています。

toyokeizai.net

ビジネス上の利益がある海外の競合他社がレビューを荒らすのはまだ理解できますが、国内の作家をただ気に入らないという理由だけで、何の得にもならないのに他人の足を引っ張って潰そうとする日本のオタクたちは本当にヘドが出ますね。
ただ、こうした穴だらけのレビューシステムの問題を解決せず、機械的に「ガイドライン上問題ない」としか返答しないAmazonの姿勢にも一石を投じたいと感じるようになってきました。
そこで今回は、「Amazonのレビューシステムはこういう問題が放置されている」という告発を行うために、「削除されない嫌がらせの仕方」を嫌がらせされた当人が紹介する摩訶不思議な内容となります。
前振りが長くなってしまいましたが、ようやく本題に入ります。


## 「設定」とか「文章力」など、誰にでも言えそうなことを適当に書いとけば嫌がらせしてもOK

まず前提として、Amazonレビューのガイドラインは下記のようなものになっています。
Amazon.co.jp ヘルプ: コミュニティガイドライン

いくら問い合わせを行っても、このガイドラインに違反していると判断されればレビューは容赦なく削除されますが、このガイドライン上問題ない形になってさえいればどんな明白な嫌がらせであっても削除されることはありません。
もちろんガイドラインにはきちんと

誹謗、中傷、いやがらせ、脅迫、扇動、卑猥、わいせつ、またはみだらな内容投稿は禁止です。

と書かれていますが、逆に言えば「嫌がらせかどうか判断するのはAmazon次第」なので、ほぼ有名無実と化しているのが実態と思われます。

そしてこのガイドラインの抜け穴を利用して、なかなか巧みに嫌がらせを行っているレビュワーが下記のものになります。
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一見しただけで、「著者がSNSで気に入らない発言をしていた」と指摘したり、「筆者は日本語を勉強し直せ」と指摘するなど、作者の人間性に対して個人的な反感を持っていることからレビューを行っていることは明白です。
また、この作品はシリーズとして5巻まで発行していますが、作品を1冊も購入した形跡がなく、指摘の内容も「文章が」とか「設定が」といった中傷的な言葉のみで、本文の具体的な内容には一切触れていません。
「タイトルがイヤだ」なんて、読んでなくても誰でも言えるようなものですし、作品を実際に自分で読んだ形跡が一切見られません。
以上の状況から、「作品を一冊も読んだことはないが、作者のSNS上での発言が気に入らないため、同著者の作品に低評価レビューを手当たり次第につけ、ガイドラインに抵触しないよう文章とか設定といった、誰でも言えるような中傷的な指摘だけを本文で行っている」という悪意のレビュワーであることが推察されます。

しかしこれだけ明白な嫌がらせの意図が存在していながら、Amazonからの返答は「規約違反には当たらない」というテンプレ文のみでした。
事実を紐解いてみれば「つまらなかった」「面白くなかった」と取り合えずでも書いておけば、嫌がらせし放題というのが実情です。

# とりあえず褒めてさえいれば低評価でもOK

また、こちらもかなり信じがたい、質の悪い嫌がらせです。
これまでにも「作者の人間性に問題がある」「発言が気に入らない」など、個人中傷を目的としているとみられるレビューを、かなりの数投稿されましたが、どれも問い合わせの結果「ガイドラインに違反している」と判断され削除されています。
ただ、その状況を見て嫌がらせする側もかなり工夫を試みているのか、こんなレビューがされているのを見かけました。

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「文面上ほめてさえいれば、正反対の低評価レビューをつけても問題ないのか」と問い合わせたところ、やはりテンプレ文で「違反には当たらないので削除しない」という返答のみでした。
残念ですが、「作者を批判する低評価レビューは削除されて作者を褒める低評価レビューなら削除されない」という抜け道があることは自明です。
天下の大企業であるAmazonのレビューシステムにこんな落とし穴があったとは、このイクヤの目をもってしても見抜けませんでしたね・・・。

このままいくと来週あたりには、「作者大好き!」「作者最高!」という文面とともに、嫌がらせの星1レビューが100件近くついて1件も削除されない、なんてことが起こりえます。

# レビューをしなくても「参考になった」を連打すれば嫌がらせになる

また、上記の問題に付随して、こんな問題も見えてきました。
Amazonにはレビューに対する投票システムがあり、参考になると考えられるレビューが上位に表示されるようになっています。
どれだけ善意のファンが長文で作品のいいところを褒めてくれても、ユーザーが最初に目にするのは「もっとも投票がされたレビュー」になります。

例えば自分の出している作品の第1巻だと、下記のレビューがもっとも投票数が多く上位に来ています。

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「68人のお客様がこれが役に立ったと考えています」という表記があるのが見えると思いますが、それだけの人間がこのうんちの顔文字が参考になったと思ってるらしいですね。

ちゃんと購入してくれた読者が、作品のどんな点を面白いと思ったか、どこが魅力に感じたか。
何百文字とかけて書いたとしても、その投票数が嫌がらせを上回れば、上位に来るのはこのうんこの顔文字です。

せめて「実際に購入したユーザーのレビューを上位にする」みたいなアルゴリズムがあればいいのですが、誠意のある一人より悪意をもった集団の方が有利にコントロールできてしまうシステムになっています。
ただただ作者として残念ですし、せっかくレビューをしてくれた読者にも本当に申し訳ない気持ちです。

# 最後に

この荒らし行為によってAmazonKindleでの売り上げが落ちていくことは明白ですし、避けられない状況であることはもうあきらめるしかないことだと思っています。
ただ幸いなことに、自分は十店舗以上の電子書籍ストアサイトで自作を販売して流通ルートを分散させていますが、もっとも売り上げがいいのはKindleではなく国内製ストアのBOOK☆WALKERの方だったりします。

bookwalker.jp

こちらはそもそもレビューや評価システムがないようです。

また、最近ではSONY運営のREADER STOREでの売り上げも好調です。
こちらでは購入していただいたユーザーから好意的なレビューをいくつかいただいており、これらが販売の促進につながったものと感じています。

アーマードール・アライブ Ⅰ ~死せる英雄と虚飾の悪魔~(FunnyCreative) : ボイジャー | ソニーの電子書籍ストア -Reader Store

結局僕が販売しているのはAmazon一つというわけでもないので、結局レビューシステムを荒れ放題で放置した結果、被害を受けるのはAmazonでしかないと思うんですよね。
僕も今回の件で相当Amazonに対して不信感を持つようになったので、今後はできるだけ別のストアでの購入を読者に促すよう、販売の形態を変えていきたいと思っています。

確かにAmazonというプラットフォームは読者として利用者として、便利で使い勝手はいいですが、自分のような小規模なパブリッシャーの立場にしてみれば、あまりに悪意に対して脆弱なシステムに感じます。
確かに「信用のできない商品や悪質な商品をユーザーに監視してもらう」ために、低評価をつけられる仕組みは有効ですが、それは結局のところ「警察が取り締まりを放棄して自警団に任せている国」みたいなものです。
当然今回のように、「気に入らない人間を私怨や個人的な感情で攻撃する」という形で簡単に利用されてしまいます。

またこれは作家としての反省ですが、今後は一層SNS上での発言を気を付けるとともに、普段から「読んで面白かったらレビューしてほしい」と読者に訴えるようにしていきたいと思います。
今回、かなりの数のアンチに嫌がらせされて、かなり落ち込んで筆を折りたくなりましたが、その分多くの読者から好意的なレビューをもらえて励まされました。

また、普段個人のユーザーとして商品の購入指標にしているレビューが、いかに簡単に改ざんできてしまう、信頼のおけない指標なのか、再確認する機会にもなりました。
皆さんもAmazonでものを購入する際は気を付けていただけるといいですね。

この記事のURLはAmazonのカスタマーセンターに送って「お前らのレビューシステムがいかに穴だらけか反省しろ!」と、ささやかな嫌がらせをしておきたいと思います。

  • 2020.02.13追記

「文面上褒めてさえいればどれだけ低評価をつけても削除されない」という抜け道の存在を報告しましたが、ご覧のとおりさっそくこの抜け穴を利用するユーザーが現れました。
ちなみにカスタマーセンターに「規約違反の嫌がらせではないのか?」と問い合わせしましたが、未だにこのレビューは1つも削除されていません。
マジでガバガバだなAmazonお前。
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