Funny-Creative BLOG

電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

TwitterがDMCA申請を行えば気に入らない人間を誰でも凍結させられるガバガバSNSだった件

はじめに

こんにちワンダフル。幾谷正です。

前回は気に入らない作家のAmazonレビューを好き放題荒らす方法をお伝えしましたが、今回はTwitterで気に入らない人間をノーコストで簡単に凍結させられる方法をお伝えします。
なんだか我ながらめちゃめちゃガラの悪いブログになってますね……。

note.com

と言っても具体的な方法に関しては、こちらの森さんのブログで紹介されているので、詳しくはこちらをご覧下さい。
僕も先日、この記事を見て「こんな簡単な方法で凍結させられるなんておっそろしい話もあったもんやなあ」ってビックリしてたんですが

f:id:funny-creative:20200221204918j:plain

はい。ものの見事に同じ手口でやられました。

hbol.jp

既にあちこちでニュースにもなってるのでご存知の方も多いと思いますが、同じ手口でかなりの人数の方がアカウント凍結に合っています。
僕はなぜかアカウントロックだけで済んだのですが、Twitterから「お前は著作権侵害の疑いをかけられているから身の潔白を示せ」と個人情報の提示を求められています。
しかもその個人情報は、虚偽申請という名の攻撃を行った犯人に伝えられてしまうとのことです。

攻撃を受けたものについて

攻撃の対象にされたのは、レストランで撮った料理の写真や、作成したプラモの写真といった、他愛のないものばかりでした。
が、一つだけ毛色の違うものがありました。

f:id:funny-creative:20200221210815j:plain

こちらの発売予定の僕の同人誌の新刊の表紙です。
この画像は間違いなく一緒に創作活動をしている友人が、僕の作品のために描いてくれたものです。
毎週集まって、「今回はどんな表紙にしよう」「どうしたら読者が喜んでくれるだろう」と話し合って作り上げてきたものです。
これは六巻の表紙になる予定ですが、これまで五冊の本を出す中で、何百時間何千時間と時間をかけて本文を書いてきました。
起きている時間は四六時中、作品のプロットを練っているので、もはや自分の人生の半分をかけて作り上げてきたものといっても過言ではありません。

それがこのような攻撃の手段に使われたことに、僕は作家として、本気で怒っています。

犯人は何者か

f:id:funny-creative:20200221211249j:plain

それに対してこんな申請が届いたことで、Twitterから削除されてしまったのです。
どこの誰とも知らない赤の他人が、「これは私が描いた」と言い張って、DMCAの申請を行ったのです。
もし友人が僕を裏切ってこの申請をしたのでもない限りですが(笑)

いったい、どんなクソ野郎なんでしょうね、この石田卓也ってやつは。
驚いたことに、なんと偶然にも、驚いたことに、僕の本名と全く同じ名前です。
しかも申請者が自称している住所は、なぜか僕の実家にかなり近い住所です。

僕が二重人格者で自分でも知らないうちに申請を行ってた、というわけでもなければ、この申請に使われた氏名と住所は全くのデタラメなんでしょうね。
Twitter上では「デタラメな住所」と書きましたが、実はあれ嘘で、明白な悪意の見える住所と名前でこの申請は行われています。

しかもてっきり僕は「凍結させる方法を知った自分のアンチが、個人的に僕を攻撃してきている」と思い込んでいました。

ただ、同じ被害にあった他のアカウントの皆さんと情報交換をしていくうち、ちょっと驚いた発見がありました。
実は申請を行った犯人は、住所も名前も全て、イタズラ目的と思われるデタラメのものばかりでした。
が、メールアドレスだけは実在のものである必要があったようで、ちゃんとしたメールアドレスでした。

なんと凍結やロックを食らった複数人の被害者が、同一のメールアドレスから申請を受けていたのです。

「1つのメールアドレスを複数人が共有している」でもないかぎり、この申請による攻撃を行った犯人は「たった一人の人間」である可能性が示唆されます。

そう。たった一人の個人が、複数のアカウントを凍結やロックに追い込んでしまったのです。
ちょっとこの事件の異様さが、皆さんにも伝わってきたんじゃないかと思います。

「犯罪を犯してまで人に嫌がらせをする馬鹿はいないはず」という前提でこのDMCA申請というシステムは用意されていますが、実際のところ「馬鹿はやる!」って感じですね。
まさにテロリストとしか言いようがないやりたい放題っぷりです。

どうすれば身を守れるか

また、この攻撃はイラストだけでなくあらゆる画像に対して有効なことがすでに証明されています。
逆に言えば、写真やイラストさえ投稿しなければ被害を受ける可能性はありません

これに気づいた僕は、今まで投稿した写真やイラストをTwitterからすべて削除しました。
著作物さえ投稿しなければ、著作権侵害の疑いをかけられて凍結を受けることはないのです。

楽しかった旅行の写真や、ファンがたくさんRTしてくれた作品の宣伝も含めて、全て消しました。

凍結されて多くのフォロワーとのつながりが絶たれてしまうことの大きさを思えば少ない犠牲で済みましたが、とはいえ、この作業はただただ悲しかったです。

しかも著作権を守って一次創作をしているはずの僕が、著作権侵害の疑いをかけられるのが怖くて、画像を上げて宣伝することができなくなっています。
確かにイラストそのものを描いたのは僕の友人ですが、出版社と同じようにきちんと契約を結んで利用許可を取って宣伝に利用しているものです。

たとえば僕に嫌いで気に入らないイラストレーターがいたとして、

①投稿された画像を適当な無料アップローダーに上げる
②「これは自分が描いたイラストだ」と虚偽のDMCAを送る
③申請に使う住所や氏名はデタラメでOK

これだけで気に入らない相手を凍結させることが可能なのです。
誰でも好きなだけ“どくさいスイッチ”を押し放題、みたいな状況です。
現状、Twitterに著作物を上げる行為そのものが危険なものになっていて、僕も委縮して写真や画像をアップロードするのをためらっています。

これが表現の自由の侵害でなかったら、一体なんだというんでしょうか。

未だ打つ手なし

いま現在、他の方々と連絡を取り合って犯人を突き止める方法を探っていますが、突き止める方法は見つかっていません。
最初の申請に使われている住所氏名もそもそも架空のものなので、相手を突き止めて訴えを起こすことすらできないのです。
この判明しているメアドに「お前の名前と住所を教えろ」とメールを送って、犯人が素直に答えてくれれば別ですが(笑)

この犯人は自ら「故意に報告素材または活動が重大な侵害をしていると偽った場合、17 U.S.C. § 512(f) (米国著作権法) に基づき、私は訴訟費用および弁護士費用を含むあらゆる損害について責任を問われる可能性があることを理解しています。」と宣言して、この申し立てを行っています。
たとえ単なるコピペであっても、この宣言が嘘になるわけではありません。
にもかかわらず、僕はこの犯人に今のところ、なんの法的責任を問うことも訴訟を起こすこともできていません。

僕も今回の申し立てを受けてから、弁護士事務所に何件か問い合わせを行っているんですが、いまだに相談に乗ってもらうことすらできていません。
確かに現状では実害といえる実害が出ておらず、他の方にしても言ってしまえば「アカウントが凍結された」だけで、金銭的被害を受けていません。
このDMCA申請によって相手のアカウントを凍結させる方法の素晴らしいところはまさにここで、全くのリスクやコストを欠けずに行えてしまうことです。

弁護士を雇って裁判費用を工面できる金持ちなら反撃することもできるでしょうが、多くの一般ユーザーにそんな手立ては取れないと思います。
Twitterが医者と芸能人と政治家と“女体盛り同好会“ぐらいしか安全に発言のできないSNSになるのも時間の問題でしょう。

今後の対応について

他の虚偽申請を受けた凍結被害者の皆さんと話し合って対応を進めていますが、正直あまり進展してはいません。
「犯人が一人なら集団訴訟という手もあるんじゃないか」という提案も出ていますが、そもそも訴訟するにも相談できる弁護士すら見つかっていない状況ですので・・・。
もしこの騒動を知って「手を貸したい」と言ってくれる弁護士の方がいましたら、連絡ください!

そして僕は運よく凍結を免れましたが、凍結を受けて仕事に支障がでている方も数多くいます。
まずはこの人たちの凍結解除を第一に考えて行動したいのですが、そのためには全員が、この犯人に自分の住所や氏名を渡す必要があります。

僕は本名も顔も最初から割れているので、破れかぶれで住所と本名を伝えて申請の取り下げを待っています。
夜道にちょっと気を付ける必要があるのもいつものことなので(笑)
ですが個人情報を犯人に渡すことをためらっている人も数多くいて、事態が進展しない状況です。

そして僕自身、先ほども申し上げた通り、自分の作品の宣伝や告知を、攻撃を恐れてできない状態になっています。
そしてもしこの虚偽申請が法的に有効なものとして認められれば、いざ6巻を完成させてAmazonに販売の申請をしようとしたとき、「お前は人の著作を侵害してるだろ」と言われて登録できなくなる危険すらあるのです。
存在もしない架空の人間に僕たちの作品の著作権を奪われ、作品を公開できなくなるなんて、あまりに馬鹿げています。
著作権というのは、確かに「自分が作ったものだ」という確実な立証が難しいものですし、だからこそ丁寧に保護する必要があるのです。
著作権者を守るために作られたDMCA制度のせいで、一次創作をしている同人作家の僕が脅かされているなんて、笑えもしない冗談です。

いっそ、誰もかれもが皆、このシステムの穴を突いて、全てのユーザーのアカウントを凍結させるぐらいの無茶苦茶をやって、TwitterというSNS自体を崩壊させてくれた方がよっぽどいい気もします。
宣伝の手段が減るのは残念ですが、それはそれでTwitterで遊ぶことが減って、僕も原稿が進みますからね(笑)

Twitterにはせめて虚偽やデタラメの申請ができないよう、身分証明書や法人登録書類の提出を義務付けるようにしてほしいと思っています。
銃を無免許で所持して誰もがノーリスクで発砲できるような状況では、無差別テロなんてやり放題ですからね。

皆さんの一刻も早い凍結の解除と、心強い弁護士が名乗り出てくれることを今は切に願います。