Funny-Creative BLOG

電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

「はだしのゲンコラ村」を公式に問い合わせて燃やしたら僕が凍結されたという氷と炎の歌

毎度お騒がせしております、幾谷正です。
えーっと、どこから話したものか。タイトルの通りです。

Twitterで行われている「はだしのゲン」のコマを無断改編および転載行為を見るに見かね、販売元である版元や作品を応援する支援団体に問い合わせ行ったところ、
その行為がよほど”著作権侵害者たち”の怒りに触れたのか、多数の方から違反報告を受けてTwitterのアカウントが凍結されてしまいました。

凄いですね、言ってる僕も何書いてんだって感じです。

経緯について

なんかTwitter眺めてたら「幾谷は無関係な団体に問い合わせただけだ」とか「作者の中沢啓治は亡くなってるから著作権者は居ない」だとか「幾谷は艦これで炎上した前科がある」とか情報が錯綜してるので、いちおう経緯をご説明します。
僕のアカウントは凍結されてしまっていますが、いちおうtwilogの方に発言は残してあったので、そちらからキャプチャする形で掲載します。
あと艦これの運営と揉めて炎上したのは事実です。

1.著作権侵害行為を見かねて、コミックを出版している汐文社とほるぷ社の2社に問い合わせメールを送る。

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2.ほるぷ社と汐文社からそれぞれ返信がくる

まず、汐文社からは以下のような返信がきました(5/30)
「認識はしているけど版権を管理しているだけなので言及できない。作品のイメージを汚すようなものがあった際には、著作権者と相談の上、対応させていただくことになるかもしれない」

いや、これだけ数多くの人間に著作がオモチャみたいに扱われておいて「イメージを汚してないし著作権者ともまだ何も話し合ってない」って、お前ら本気かよ。

とりあえず「じゃあやっていいの? ダメなの? そもそも本当に相談してんの? 事なかれ主義で見ない振りして侵害から目を背けるつもりなんじゃないの?」としか思えなかったので、Twitterでリプライ付きで投稿して置いて、言い逃げできない状態を作っておくことにしました。

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そのあと汐文社からは「社内で見解をアップするため用意していますのでそれをお待ちください」というメールが来たので、とりあえず待つことにしました。

またほるぷ社からは「作品の版権は汐文社が管理しててうちは刊行をしているだけ」という返答がありました。(5/30)

3.「NPO法人はだしのゲンをひろめる会」にも問い合わせを入れてみる

まず大前提として、著作権というのは財産権と同様、著作権者の死後は著者の遺族か、著者が指定した相続人に自動的に継承されます。
つまり「作者が亡くなっているから権利者は存在しない」というのは誤りですし、著作を管理しそれで対価を得ている権利者は今も存在しているのです。
皆さんは、著者が遺族に託した財産を不当に扱い、貶めているわけです。

で、「汐文社がだんまり決め込んだときに備えて、著作権者と繋がっていそうな筋をもう一つ当たってみよう」と思い立ち、NPO法人はだしのゲンをひろめる会にもメールをしました。
こちらからはすぐに返信が返ってきましたが、「著作権者や出版社に報告して対応する」という返事だけで、特に進展ないなと思いつつTwitterでこれを報告。

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そしたらなぜか、5/30の出版社の問い合わせの件よりなぜかこっちの方が拡散され、燃えに燃え広がり、延々送られてくるクソリプと果てしない闘いをくり広げてたらなぜか凍っていました。
「幾谷は無関係なNPO法人に問い合わせただけ」って噂はこのせいで立ってるみたいですが、それについては否定します。
俺は効果的に燃やせるようにちゃんと狙って火をつけてるからな!!

4.そして伝説へ

一応今回の件について、問い合わせを行った先の一つである、「はだしのゲン」のコミックを販売している汐文社様から以下のような告知が出されていました。(6/4)

www.choubunsha.com

弊社の見解は以下のようなものです。

①下記にあるように、弊社は、弊社書籍内のイラストやマンガの転載は基本的にお断りしています。

/copyright/

②作品の著作権者が不利益を被るような内容であると弊社が判断した場合には、

著作権者にお知らせしています。

ただ、事が荒立てたくないばかりにこっそり出したかいあって、Twitter上ではごく一部の人しか気づいておらず、今も大量のコラ画像がアップされては著作権が蹴り飛ばされ続けています。
やたら時間が掛かったわりにこれでは何も言ってないのと変わりないですね、本当に故人の作品守る気あるんでしょうか?
「コラ素材として優秀な漫画を描かれる先生がたには早く亡くなって欲しい」と一部の人間に思われててもおかしくないと思います。

(追記:ねとらぼさんで今回の声明文が記事になっていました)

nlab.itmedia.co.jp

Twitterとかいう著作権侵害


はだしのゲン」のコラ画像著作権侵害として通報した人のアカウントが凍結されてるのって、起こってはいけない事なのでは?

「起こっとるやろがい!」って話ですよね。起きてしまったもんは仕方がないと思います。
著作権侵害をした側が凍結されるならまだしも、それを正論で批判した側が凍結されるなんて、なかなTwitterも香ばしいSNSに成り果てたなって感じです。

そもそも皆さん、本当に出版社が出しているコミックを自分で買って、それをスキャンして、加工した上でネットに上げているんでしょうかね。
僕はどうせ、誰かがファイル共有ソフトなり違法ダウンロードサイトで入手したモノを加工して、それを更に加工してと使い回してるんじゃないかとにらんでます。
侵害したのは最初の一人だけで、それを加工している自分たちに罪はないとでも思ってるんでしょうか。

実際、「加工しやすいようにセリフを消しておきました! 素材として使ってください!」なんて形で画像を上げている人も数多く見かけました。
なんで素晴らしい漫画を広める目的でやってる人たちが、その素晴らしい台詞をわざわざ邪魔な存在みたいに消してるんでしょうね。

仲には目を疑うようなこんなツイートすらも見かけました。


汐文社の声明「基本的にはお断りしてる」っていう公式凸された時の定型文+「作品の著作権者が不利益を被るような内容であると弊社が判断した場合には、 著作権者にお知らせしています」だから著作権者が被る不利益の無いゲンコラの場合は特に対応しないゾって遠巻きに言ってる感もあるな

ここまではっきり言われてまだ「許可だ」って言い張れるとかスゲーなお前! セクハラやめない勘違い男かよ!!

正直普段から「このマンガのセリフがすごく良いこと言ってる!」とか「これ面白いから皆見て!」って感じで漫画やアニメのキャプチャを貼り付けて。
それが拡散されたら「俺有名人じゃんwww」とか「拡散されたから宣伝します!!」とか、みなさん他人の作品をまるで自分のもののように利用していますよね。

それ、漫画村のやってたことと一体なにが違うんですか?

普段からあまりにカジュアルに著作権侵害が行われ、糾弾されず、それどころか糾弾した側が排斥される、低俗なモラルの人間達が自己肯定しあっているのがTwitterというSNSの実態だと感じています。
凍結されてしまってアカウントも作り直せない状況ですが、このまま使わないで居る方が自分に取っては良いんじゃないかなとも思えます。

宣伝に使うだけなら犯罪ではないという誤解について

日本に限らず広告というのは本当に巨大なマーケットです。個人も企業も自分の商品やサービスをより多くに知ってもらうために、多くの広告費をかけています。
ネットで動くお金の大部分は広告収益のやり取りですし、テレビだってスポンサーからの広告料で成り立っています。
広告というのは本来、大きなお金を払ってやるべきものです。

コラを使った広告の例と言えば、以前にこのようなものがありました。

dragonball.news

これ、一体どれほど巨額なお金が、資生堂から集英社鳥山明先生に振り込まれたか、想像ができますか?
そこで得られたお金は、また別の作品が生まれるために循環していくわけですし、作者もまた著作利用料という形で、コミック印税以外の利益を得られるわけです。

それを皆さんが、「漫画のコラで好きな商品を紹介するぜ!」だなんて勝手にやって、それが広まってしまったらどうなると思いますか?

本来払われるはずだった著作権利用料を作者は得られず、あなたの好きな商品を出している会社まであなたの起こした著作権侵害に巻き込まれてしまいます。

www.asahi.com

それに、以前はこのような目を覆いたくなるような侵害の例もみかけました。
今回でも、「自分の出してる同人誌をはだしのゲンのコラで紹介する」という、明らかな広告利用の例だってありました。

「宣伝のためにコラを用いても著作権者に著作利用料を払う必要はない」などという価値観が蔓延して、被害を被るのは一人ひとりのクリエイターです。
現状のコラ文化を看過することで日本の文化を破壊する片棒を担いでいるのはあなた達自身です。

僕を批判している皆さんへ

なんか僕の過去の炎上を持ち出して「あいつは殺していいやつだった!」とか、よく分からない盛り上がり方している人たちいますね。
とりあえず僕の炎上の詳しい経緯について知りたい方は、エッセイを以前に書いてるので良かったら見てもらえると嬉しいです。

kakuyomu.jp

あと、「こんなやつが作品を出すなんて許せない!」みたいなこと言ってる皆さん。
表現の自由を守りたいんだか踏みつけたいんだかよく分かりませんが、「気に入らない人間の表現は踏みにじっていい」って君たちの考えはよく分かります。
でもそういう人たちは特に読者として求めていないので、好きなだけ暴れてたら良いと思います。どうせ君たちごときには何もできないんだしね。

それでもどうしても、僕が小説を公開することに我慢できないというなら、ぜひ僕が作品を投稿しているサイトの問い合わせフォームからお便りを送ってください。

armordoll-alive.funny-creative.com

まあサイトの管理者も僕自身なんですけどね(笑)

わりと他人のプラットフォームを抜け出したことで、前よりのびのびと自由に発言できるようになったなって感じがします。
もしはてなブログの管理者に怒られたら、自分のサイトにブログを移し替えればいいだけですしね。