Funny-Creative BLOG

電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

「not for you ーお前のためじゃねえよー」

高校のころ。
僕は授業中、ノートの端っこやレジュメの裏に落書きをするのが好きだった。
描いているのは昨日見たアニメに出てきたロボットとか、買ったプラモを模写して練習したロボットとか、とにかくまあロボットばかり描いてた。
こなれてくると、たまにちょっとオリジナル要素を付け足して「オリジナルMS」とか「オリジナルオーラバトラー」とか「オリジナルガイメレフ」とか描いてた。

意外と描きながらでも授業はちゃんと聞けてるもので、というか、描いて手を動かしてないと眠かった。
寝ないための事前策として描いていたようなものだ。
でも教師からの心象はやはり悪いようで、あるとき描いている絵に目を付けた教師が、その紙を取り上げて注意をした。
そしてなんと、見せしめにと教室の掲示板にその絵を貼り付けたまま授業を続行したのだ。

「意外と上手い」と一部の同級生にはほめられたが、やっぱり大半の同級生たちには笑われた。
そりゃまあ、描いたからには人に見て欲しい。それが絵という物だ。でも別に、見せたく無い人間に笑われるために描いたわけではない。

「見て欲しくて描いたんだろ。見せてみろ。笑ってやる」

そういうスタンスの人間は、教室という狭い社会の中にもいるし、この広い社会の中にも限りなく居る。
そういった輩に、僕は、こう心の中で言い返すことにしている。

「確かに見て欲しい。でもそれはお前じゃない。お前の為には描いてない」

続きを読む