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たのしいことがしたいだけ

電子書籍が漫画雑誌のシステムを崩壊させる可能性が微レ存

DL販売サイト君クッソ有能

突然だが僕は電子書籍のヘビーユーザーだ。今までの購入金額は6桁をすでに通り越している。
電子書籍で何をそんなに買うものがあるのかというと、実はもっぱら買ってるのは漫画でも小説でもなくエロ漫画である。

毎年コミケに参加している同人誌好きの自分としては、毎日新作が追加されて24時間365日東京へ遠征せず同人誌漁りのできるDL同人サイトの存在は本当にありがたい。
今まではpixivで好きな絵師を見つけても、同人イベントに参加しているか確認して、開催日を調べて、遠征のスケジュールを考えてと大変歯がゆい思いだった。
それが同人DLサイトがあれば絵を見る->プロフィールのリンクを踏む->クレジットカードで購入と数分で済んでしまう。
リビドーのほとばしりを収めるには大変ありがたい即応性だ。

同人DLサイトのステマはこのあたりにして、本題に入りたいと思う。
ずばり結論から言うと、電子書籍の雑誌販売は新人の死に直結するのではないか、という危惧についてだ。

TDNが淫夢をコンテンツにした

多くのDL販売サイトでは商業雑誌や単行本の販売もしているが、自分はこのサービスも併せて利用している。

紙媒体の頃から、好きな作家が載っているというだけで雑誌の購入動機には余りある。
そして雑誌にはそれぞれのカラーや方向性がある。つまり好きな作家と近い方向性の作品がいくつも掲載されている。
今まで知らなかったけど自分の趣向にドンピシャな作家を紹介してくれるという、マッチングの機能も雑誌は併せもっているわけだ。
たいていは既に知った名前ばかりなのだが、たまに「どうして今まで知らなかったんだ」と嘆きたくなるほどの名前を知ることもある。
また、知名度ゼロなデビューしたての新人の作品を知る機会の一つにもなるわけだ。

これはエロ漫画雑誌に限った話でなく、いわゆる「一般的な少年漫画」でも運用思想は同じだ。
デビューしたての新人も、ワンピースと同じ雑誌に載っているというだけで、ワンピース目当てにジャンプを買った全員に読まれる機会と名前を知られる機会に恵まれる。

これがラノベだと、どれだけ有名な作家が同じレーベルで書いていても、新人の本は別途買わないと内容に触れる機会すらない。
この辺りが雑誌と文庫の決定的違いなのだが、それに気づかないと雑誌編集を数十年やってきた経験豊富な編集だろうと、ラノベではさっぱり売れない本ばかり出してしまう。あの編集ほんとアホだろ。

閑話休題

ともかく新人に「読まれる機会」を与えることが雑誌制度の素晴らしさであり、逆に言うと雑誌で名前を知られないと単行本もさっぱり売れず大変厳しいことになる。

パパパッとイッて、終わりっ!

ところが、この利点と逆行するように電子書籍は進化してしまっている。
実は紙書籍と違って固定の印刷費が必要ない漫画雑誌は、「掲載されている作品を個別に販売する」ということが可能なのだ。
作家ごとに個別にディレクトリ分けしてデータを管理している自分にとっても、この販売方式は大変ありがたい。
十作掲載で700円ぐらいの雑誌が、1作300円ぐらいで販売されている。一人の作家目当てなら一作だけ買ったほうが400円安い。

しかし、ここで冒頭に触れた内容に話が戻る。
つまり自分のように「目当ての作家の作品だけ買う」利用者が増え続けると「残りの9作品」の読まれる機会が完全に奪われてしまうのだ。

しかも出版社側としては煩わしい原稿料の計算を作品ごとの販売数ベースで決定できるので商業的な利点は大きい。
ところが無名の作家にとっては「雑誌掲載無しで単行本を出す」ような状態になってしまいかねない。
雑誌掲載される最大の利点である機会利益が損なわれる以上、作家側には出版社にマージンを取られたうえで300円の単行本を出すのと変わりなくなる。
これなら700円で同人誌を出した方がマージンを抜かれないので短期的にはよっぽど得と言って良い。

電子書籍の利点を活かすと雑誌というシステムの利点が全く死んでしまうのだ。

くっそガバガバな理論恥ずかしくないの?

もちろんこれは利用者視点から見た聞きかじりの情報による推察なので、見当違いな見立てもあるかも知れない。
そもそも漫画雑誌は紙媒体の売上が基本で、電子書籍の利益は副次的なものに過ぎないだろう。

ところがどっこい、実は「電子書籍専売の漫画雑誌」というものも幾つかのサイトで既に販売されているのだ。

数年と経たず廃刊になってしまったものも中にはあるが、未だに刊行を続けているものもある。
それらが既存の雑誌システムと同様の働きをしているかどうか、実数を見ていない自分にはわからない。

単純に成人向けのマーケットが大きいから先進しているというだけで、今後他のマーケットも拡大すれば同じジレンマに直面すると考えられる。
ともかく「紙媒体において有効なシステムだった雑誌」が電子媒体でもそのまま有効か否かは気にしていきたい。