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電子書籍作家の幾谷正が個人出版の最前線で戦う話

負けたところで失うものは何もない僕たちと『人造昆虫カブトボーグVxV』の話

世間では「カオスアニメの代名詞」として悪名高い『人造昆虫カブトボーグVxV』だが、実はけっこう趣深いエピソードも多数ある。

そもそもカブトボーグというアニメの世界観はそれほど狂っているわけではない。徹底したリアリティのもとに成り立っている。
主人公のリュウセイさんは腹の立つ相手が居れば叩き潰す、目的のためには手段を選ばない、常に最短距離で勝利をつかみにいく。

これがそこらのホビー向けアニメの主人公なら、「勝つためには何をしたっていいわけじゃない」と敵役を綺麗ごとで説得しているところだ。
だが、リュウセイさんは逆に、そんな説教に対して更に上からの説教を食らわせて怯んだ隙にぶちのめしたりする。
彼は少年向けホビーアニメという枷から解き放たれた、ナマの感情を発露するむき出しの人間性そのものなのだ。

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